20年6月20日の日経新聞の記事に、巣ごもり投資家が世界で急増しているという記事がありました。
その記事をみて、「これは大変だ!」と思い、今回のこの記事を書くことにしました。
これから株式投資を始める方、始めたばかりの方は、是非ご一読ください。
「日本では個人が値動きの激しい銘柄を買っている」上位10位のランキングのなかで、テラ、アンジェス、ナノキャリア、オンコセラピーといった新型コロナのワクチン開発に期待がかかっている企業、通称バイオ関連株が10社中4社を占めています。
リーマンショックで資金の大半を失ってからの再挑戦以来、約11年間の相場を体験してきた私から、これから株を始める方々に1つアドバイスです。
「バイオ株は触るな!」
理由は3つです。
- バイオ株の値動きは激しい
- バイオ株の多くは赤字企業
- 短期間で爆益が出ると中毒化する
「バイオ株の値動きは激しい」
では、まず①の「バイオ株の値動きは激しい」からいきましょう。
20年6月21日現在の株価です。
◎4563アンジェス
2月28日安値375円から5月8日高値2455円
約525%上昇しており、株価は6.5倍となっています。
◎4571ナノキャリア
3月13日安値167円から6月17日高値752円
約335%上昇しており、4.5倍
◎オンコセラピー
3月13日50円から6月10日229円
約350%上昇しており、約4.5倍。
日経平均
比較対象として日経平均をみると
3月19日16,358円から6月9日23,185円
約42%上昇しています。
ベンチマークである日経平均とバイオ株を比較すると上昇が異常値であることがわかります。また、約4カ月間という短期間で急上昇しており、今回のバイオ株の暴騰していますね。
今回のバイオ株の暴騰はご存じの通り、新型コロナのワクチン開発への期待感が要因です。
ここで、大切なことは、「できていないにも関わらず」、株価が上昇していることがポイントです。
つまり、株は期待感で上昇します。
ということは、できなければどうなるか。データ量や開発実績で先を行く米国企業、新型コロナの発信地でもあり一党独裁の中国に、先を越されたらどうなるか。
皆様イメージできるでしょうか。
そうです。
逆回転がかかり、暴落します。
②バイオ株の多くは赤字企業
しかも、バイオ株は②バイオ株の多くは赤字企業なんです。
◎4563アンジェス
01年に純利益1.42億円を出して以来、20年12月期までの19年間連続赤字です。
◎4571ナノキャリア
08年以来、20年3月期まで一貫して赤字。
◎4564オンコセラピー
11年3月に純利益7.26億円を出して以来、9年連続赤字。
見事なまでの真っ赤な決算です。
このような企業がここ3カ月で暴騰しているんです。
しかも、「実績」ではなく、「期待感」のみの上昇で、まさに砂上の楼閣。
キッカケ一つで連続
上昇から失望に転じて暴落した場合、この真っ赤な業績だと同じ株価まで戻ってくることは難しくなります。
つまり、マボロシの含み益から膨大な含み損となり、しかも元の株価に戻る期待がゼロに近くなるという、恐ろしいことに。
ゴミですね。
ゴミと割り切って捨てることができれば、良いですが、多くの方はそのまま放置する方が多いのが現状です。
では、今回のバイオバブルで超絶な利益が出た場合はどうなるか。
③短期間で爆益が出ると中毒化する
③短期間で爆益が出ると「中毒化」という状態にになりやすいです。
数日保有していただけで、倍になった。
凄いとは思いますが、このようなバブル相場は数年に1度のお祭り相場です。
日常の相場はというと、ほとんどが横ばいの相場です。
現在は、金融緩和で株価が激しく動いていますが、緩和マネーも一巡してくると値動きは落ち着いてくるでしょう。
また、今年は新型コロナによる実経済の不透明な状況であり、大きなイベントとして11月米国の大統領選もあります。
警戒される時期が近づいてくると相場は、急落に備えるため取引は様子見ムードが広がります。つまり、横ばいのような値動きになります。
ということは、「数日で倍になった」体験が忘れられない方はどうなるか。
株を買って20%ほどの利益が出ても、満足できません。
まだまだだと思って、保有します。
しかし、現実は横ばいの期間が多いため、下落してマイナスへ。
短期間で数倍と大きく上昇する銘柄は数ヶ月に2〜3銘柄出るかどうかです。
なかなか、満足する利益がとれないため、次にどうするか。
利益の金額が忘れられないため、横ばい相場でレバレッジ(自己資金以上の資金で運用すること)を張り出します。
レバレッジを効かせると、金額が大きく動くため、数日で倍になるような銘柄ではなくても、高利益を上げることができます。
ただ、横ばい相場の怖いところは、急に上下のどちらかに離れることです。
自分の考えていた方に動けばいいのですが、反対に動くと大損となります。
大損をしたので、次に取り返そうという気持ちが湧き出て、さらに資金を載せていきます。
「負のスパイラル」ですね。
これで、見事に資金はなくなる結果に繋がります。
急激な利益が中毒化すると、多くの方が最終的には、「負のスパイラル」に巻き込まれていき、退場に向かいます。
20代であれば、反射神経もあり、実経済で取り返すことができるかもしれませんが、30代後半より上の方はこれまで貯めた虎の子の資金が取り返しのつかないことになります。
資金管理は大切であり、株式投資を始める年が上がるにつれて、重要度が増してきます。
株式投資は「利益」を出すことが目的ですが、最も重要なことは継続することです。
継続するためには仕組み(ルール)が必要です。
自分自身のモチベーションに頼らずに粛々と行動する。
バイオ株のように乱高下するチャートでは気持ちにブレが発生してしまいます。
現在のようなバイオ相場は、13年にエボラ熱、16年のそーせいバブル、18年のサンバイオバブルがありました。
今までのバイオ相場を見ていると、行き場がなくなったお金の短期的な受け皿になる傾向があります。
今の相場もいつ崩壊するかわからない状況です。
禁じるルールを作ることは、効果が高い
ある日突然、はしごを外されるバイオ相場。
初心者でも、経験者でも自分の「ルールなき投資」は破滅に向かいます。
ゆえに、私は「バイオ株はご法度」にしています。
株式投資において、自分なりの「禁じるルール」を作ることは、投資を長く続けるコツです。
また、投資する企業を選んだ理由、投資を回収するまでの時間など事前に考えておくことが大切になります。
ぜひ、株式投資を継続するためのルールを作ってください!
今回の記事が、皆様の今後の投資活動のお役に立てば、幸いです、。
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バイオ株から抜け出す方法について
20年10月14日に追記しました。
「バイオの沼か」ら抜け出すためのアイディアを書いています。
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